2013年03月21日

東京の中の佐賀「小金井」

佐賀県出身の小説家、社会教育家である下村湖人(1884-1955)が青少年教育活動を行い、湖人の小説『次郎物語』第五部の舞台ともなった浴恩館に行ってきました。
小金井には、まだ所々に武蔵野の雰囲気が残っています。個人のお宅や畑に、この辺り一帯が武蔵野だった時代の景観をそのまま切り取ったような緑や黒い土が残っているのです。

東京の中の佐賀「小金井」
2013年3月撮影

特に浴恩館周辺は、ここが浴恩館として青少年の教育活動に使われていた時代の自然をそのまま伝えており、「浴恩館公園」として、整備されています。

東京の中の佐賀「小金井」
2013年3月撮影

浴恩館は、昭和3年(1928)に京都御所で行われた御大典で使われた建物を「日本青年館」が譲り受け移築したものです。
現在は小金井市文化財センターとして、小金井の歴史や生活に関する展示が行われています。

東京の中の佐賀「小金井」
2013年3月撮影

湖人が、この浴恩館に設置された大日本青年団講習所の所長だった昭和8年~12年頃、宿舎として利用していた空林荘が今年の2月23日に火事にあってしまいました。原因はわからないそうです。

東京の中の佐賀「小金井」
2013年3月撮影

文化財センターの展示室には、「浴恩館と下村湖人」というコーナーがあり、浴恩館での生活を示す資料や、当時の写真、『次郎物語』関係の資料などが展示されていました。

東京の中の佐賀「小金井」
2013年3月撮影

また、南寮では、ちょうど「『次郎物語』第五部の世界」というパネル等の展示が行われていました。第五部では、浴恩館をモデルとした友愛塾での次郎少年の成長を描くのですが、この塾で講師等として登場する湖人らモデルとなった人々の紹介が行われていました。

東京の中の佐賀「小金井」
2013年3月撮影

「大いなる 道といふもの 世にありと 思ふ こゝろは いまだも消えず」
湖人が『次郎物語』の中で求めた世界を歌ったものだそうです。

東京の中の佐賀「小金井」
2013年3月撮影


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Posted by 佐賀城本丸歴史館 at 08:30 │東京の中の佐賀